
TBS系 水曜プレミアシネマで「SPACE BATTLESHIP ヤマト」が放送されました(4月11日)。あの「宇宙戦艦ヤマト」の実写版です。アニメ版の第一作が放送されたのが1971年でしたから、実に30年以上経っているんですね。

初放送当時、私としては小学校に上がる前でしたが、あの頃の衝撃と興奮は今でも結構覚えています。松本零士シリーズの幕開けでもあり、傑作の多い70年代アニメ作品の中でも後の80年代以降に与えた影響が大きく、数々の社会現象をも生み出しました。こういう濃い作品だけに、今頃になって実写化というのはなかなか難しいものがあるのではないかと危惧するものもありましたが。

そういう事情があってか、製作中からもさほど話題になることもなく完成された本作でしたが、この度めでたく地上波初放送を迎えるに至りました。ということでようやく実況です。ていうかこういう映画はもはや実況なくして観れなくなってしまいました。もちろん私もDVDで事前に観てはいたのですが、やっぱり物足りない、というか、一人ではなかなか突っ込みに力が入らないのです。それが無駄なストレスになってしまって、かえって疲れるんですよね。そういう人って結構いるんじゃないでしょうか。

前置きが長くなりましたが、実はこの映画、猫が出ています。これは佐渡先生の愛猫として常に一緒にいる役で、原作では常に一升瓶片手にふらついている男性でしたが、今回は高島礼子さんがやっています。この泥酔軍医キャラは松本零士作品に定番なのですが、今回思い切って女性に変更しているのも現代的と言えるでしょう。

一升瓶に興味を示すミーくん。これは映画の中盤、艦長命令に背いた木村拓哉が牢屋に入れられているところ、様子を見に来た佐渡先生と機関長の徳川彦左衛門(西田敏行)。

高島礼子にしがみつくミーくん。結構大きいです。後ろから見ると狸みたい・・・。

機関長の西田敏行は最もアニメ版のイメージに近いキャラだったかもしれません。その点でバランスは取れていると言えるでしょうか。

早くも終盤、みんなが脱出させた後、中木村拓哉が一人で決死の最終突入へと向かいます。

ヤマトポーズを決める面々。そうした中で高島礼子のポーズが猫パンチのようにも見えます。

ということで猫パンチを必死で防御しているミーくんの図です。この映画の最大の見せ場といえる名場面でみあります。

最後まで余裕の演技を見せるミーくん。うーん、可愛いだけでなく、何ともいえない落ち着きと風格が感じられます。

ということでこの映画、ある意味で近年まれに見る名作です。深くは語りませんが、まあそういうことです。実況を逃した方は残念ですが、ぜひ独り突っ込みの鍛錬に勤しんでいただきたいと思います。
ちなみに読売で実に的確なコメントがありましたので下にご紹介しておきます。
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/cinema/cnews/20120407-OYT8T00500.htm 熱烈なファンも多い、あの有名なアニメの実写映画化だ。以前なら考えられなかっただろう。
それがCGで可能になった。宇宙を行くヤマトのリアルな実在感に驚かされた。監督は「ALWAYS 三丁
目の夕日」の山崎貴。得意のVFX(特殊効果)の実力は存分に発揮されている。
だが、アニメには独特のドラマの呼吸や流れがある。映像は可能でも、そちらの実写化は極めて難しい。主人
公の古代進を演じる木村拓哉は、木村拓哉にしか見えない。森雪の黒木メイサ、沖田艦長の山崎努もそう。キャ
ラクターの設定を変えたり、工夫はしているが、どうしても違和感はある。
それは承知の上で、むしろ「違和感」こそを楽しむべきだろう。2010年。★★★☆(小梶勝男)
(2012年4月9日 読売新聞)